心と体がなんとなく重たい。
それでも「まだ頑張れるはず」と、自分を励ましながら出勤する日々。
けれど、ふとした瞬間に「このままでいいのかな」と感じることはありませんか。
仕事を辞めるかどうか――その判断はとても難しいものです。
とくに、明確な理由がないまま気持ちが沈んでいると、自分の状態に気づきにくくなることもあります。
この記事では、仕事を辞めた方がいいかもしれない11のサインを、心・身体・環境の観点から整理しました。
無理を続ける前に、あなた自身の“サイン”にそっと気づけるよう、心理的な視点からお届けします。
今の気持ちが少しでも軽くなるきっかけとなりますように。
心身が出している「辞めどき」のサイン

仕事のストレスは、まず体と心に現れることが多いです。
無理をしているときほど、「まだ大丈夫」と思い込もうとしてしまうもの。
けれど、自分の身体が発するメッセージを見逃してしまうと、回復に時間がかかってしまうこともあります。
ここでは、心と身体がそっと教えてくれる“辞めどき”のサインを見つめていきましょう。
朝起きられない日が続く
目覚ましを止めても、どうしても体が動かない。
出勤の時間が近づくたびに気持ちが重たくなり、起き上がるのがつらい朝が続く。
そんな日々は、心身が限界に近づいているサインかもしれません。
もちろん、誰でも「今日はちょっとだるいな」と思う日もあります。
けれど、それが毎日のように続いているなら、疲れが蓄積している状態の可能性も。
特に、週末にしっかり休んでも改善されないときは、仕事による慢性的なストレスが原因かもしれません。
身体の声を、丁寧に拾い上げてみることが大切です。
週末になると体調を崩す
金曜日まではどうにか頑張っていたのに、土曜日になるとどっと体調を崩してしまう。
そんな経験はありませんか。
実はこれ、仕事による強い緊張が週末にゆるむことで、反動のように不調が表れる現象でもあります。
「気が緩んだだけかな」とやり過ごすこともできますが、繰り返し起こる場合は注意が必要です。
身体が「もう少し休ませて」と伝えているのかもしれません。
週末が心からリラックスできる時間になっているか、振り返ってみるのも一つの手です。
眠れない・食欲がない状態が続く
布団に入っても、仕事のことが頭から離れない。
夜中に何度も目が覚めたり、朝起きたときにぐったりしていたり。
それに加えて、食欲もなくなってきたとしたら、ストレスが心身を圧迫しているサインかもしれません。
特に、以前はしっかり食べて眠れていた人ほど、この変化には気づきやすいはずです。
日常の当たり前が崩れ始めているとき、心が発する小さな信号に耳を傾けることが必要です。
「もう無理かも」とふと思うことが増えた
何気ない瞬間に、「もう無理かも」と頭に浮かぶことはありませんか。
そう感じるのは、決して甘えではありません。
むしろ、心の中で限界が近づいていることを、あなた自身が誰よりも気づいている証拠でもあります。
普段は言葉にしない気持ちが、ふとした瞬間に表れるとき。
それは、心の奥からの静かな叫びなのかもしれません。
その声を無視せず、少しだけでも立ち止まってみることが、大きな一歩になることがあります。
体調を崩しても休めない環境にいる
本当は休んだ方がいいのに、職場の雰囲気や人手不足を気にして出社してしまう。
そんな状況が当たり前になっていませんか。
無理をして働き続けることで、体調がさらに悪化してしまうケースもあります。
また、「休む=迷惑をかける」と思い込んでしまうことも、心にプレッシャーを与えてしまいます。
もしあなたが、体調を崩しても休めないほどの環境にいるとしたら。
それは、見直すべきサインの一つかもしれません。
やりがいを失ったと感じたとき

仕事に向かう気持ちが以前よりも弱くなったとき。
その変化に気づいても、「贅沢な悩みかもしれない」と自分に言い聞かせてしまうことがあります。
でも、やりがいを感じられない状態が続くと、気づかないうちに心が疲弊してしまうもの。
ここでは、やりがいの低下がサインとして現れるタイミングについて考えてみましょう。
達成感や満足感がなくなってきた
仕事がうまくいっても、どこか空虚な気持ちになる。
以前は感じていた達成感や喜びが、最近では薄れている気がする。
そんな状態が続いているなら、それは心が何かを求めている合図かもしれません。
達成感は、仕事の充実度と密接につながっています。
やりがいを感じられないと、ただ時間を消化するような働き方になってしまうこともあります。
そのままにしておくと、自分でも気づかないうちに「無気力」という形に変わっていくことがあります。
成長している実感が持てない
同じような業務を繰り返すだけで、新しいチャレンジがない。
数年前と比べても、自分が成長できているのか分からなくなることもあります。
「このままでいいのかな」と感じることが増えてきたら、それはキャリアの停滞に対する違和感です。
成長の実感は、仕事への意欲や自信にもつながります。
もしそれが感じられない状態が続いているなら、新たな環境を検討してみるのも一つの方法です。
評価されても心が動かない
上司や周囲からの評価を受けても、「嬉しい」と感じられない自分がいる。
それは、外側からの評価では満たされない内側の感情があるというサインです。
評価されること自体が苦しいと感じるときもあります。
そんなときは、自分の中にある「ほんとうに大切にしたいもの」に目を向けてみるといいかもしれません。
その感覚は、次のステップを考えるヒントになります。
何のために働いているのか分からなくなる
朝、会社に向かう電車の中でふと、「自分は何のために働いているんだろう」と思う。
その問いが頭から離れなくなったとしたら、仕事と自分の軸がずれてきている可能性があります。
ただ「生活のため」だけでは、心はついてきてくれないことがあります。
自分にとっての意味や目的を見つけられないまま働き続けると、気づかないうちにエネルギーが奪われていくこともあります。
立ち止まって、その気持ちにそっと耳を傾けてみましょう。
尊敬できる上司やロールモデルがいない
職場に、目指したいと思える人がいない。
誰を見ても「こうなりたい」と思えず、未来の自分が想像できない。
そんな環境では、モチベーションを保つのが難しくなってしまいます。
仕事は一人で完結するものではありません。
人との関わりのなかで学び、刺激を受けながら成長していくもの。
だからこそ、周囲に尊敬できる存在がいるかどうかは、とても大切な要素です。
ミスや無気力が続くとき

仕事に向かう気力が湧かない。
何をしてもうまくいかない気がして、気づけばため息が増えている。
そんな日々が続いているとき、自分を責めてしまう方も少なくありません。
でも、それはあなたが弱いからではなく、今の環境に無理が生じているサインかもしれません。
ここでは、「がんばれない状態」の奥にある心の動きを見ていきましょう。
集中力が続かず、作業効率が下がっている
以前はスムーズにこなせていた作業が、なかなか進まない。
少しのことにも気が散って、同じミスを繰り返してしまう。
そんな変化に気づいたとき、真っ先に「自分の努力が足りないのかも」と考えてしまう方もいるかもしれません。
けれど、集中力が落ちている背景には、慢性的なストレスや心の疲れが隠れていることが多いです。
無理を続けていると、脳や身体は「これ以上は耐えられない」とブレーキをかけ始めます。
まずは今の自分の状態を冷静に見つめ直してみることが大切です。
ケアレスミスが増えている
単純なミスが続くとき、それは注意力だけの問題ではないかもしれません。
疲れやストレスが溜まってくると、思考のスピードが落ちたり、判断力が鈍ったりすることがあります。
それに、自分でも「またやってしまった」と落ち込むことが増えてしまうと、さらに意欲が削がれてしまいます。
自分を責めるよりも、「今の状態でミスをしてしまうのは自然なこと」と捉えてみる。
そうすることで、少しずつ余裕を取り戻すことができる場合もあります。
怒られても何も感じない自分がいる
以前は注意を受けると落ち込んだり、悔しい気持ちになったりしていたのに、今は何も感じなくなっている。
その無感覚な状態は、心が“防御モード”に入っているサインかもしれません。
感情を閉じてしまうことで、自分を守っているのです。
ただ、それが長く続くと、仕事だけでなく人間関係や自己評価にも影響してしまうことがあります。
少しでも気持ちに違和感を覚えたら、まずは一人で抱えこまないことが大切です。
終業時間ばかり気にするようになった
時計を見る回数が増えて、「あと何分で帰れるかな」と考えてばかりいる。
そんな日が増えていくと、仕事に対する関心がどんどん薄れてしまうこともあります。
意欲やモチベーションが下がっている状態では、成果も出づらくなります。
それがまた自己否定につながり、負のループに陥ってしまうことも。
気持ちが仕事に向かなくなっているときは、「頑張らないこと」も一つの選択肢です。
人間関係のストレスが積もったとき

仕事の悩みの多くは、「人間関係」に関わっていると言われています。
誰かとすれ違ったり、言葉にしづらい不満が溜まっていったり。
表面的にはうまくいっているように見えても、内側では我慢が続いていることもあります。
ここでは、職場の人間関係がサインとして現れるケースについて見ていきましょう。
会話が減った・孤立感を感じる
以前よりも話しかけられることが減ったと感じたり、自分からも声をかけにくくなっていたり。
そんな変化に気づいたとき、「なんとなく距離を置かれている気がする」と感じることもあるかもしれません。
職場におけるコミュニケーションは、単なる業務のやりとりではなく、安心感を支える大切な要素です。
そのつながりが薄れていくと、自然と孤独を感じやすくなります。
無理に誰かと打ち解ける必要はありませんが、「居場所がない」と感じるようになったら、心に問いかけてみる時期かもしれません。
上司や同僚との関係にいつも緊張がある
話すたびにピリピリとした空気を感じてしまう。
冗談を言っても受け入れてもらえず、目の前の相手が怖く感じることもある。
こうした緊張状態が続くと、それだけで出社が憂うつになることがあります。
本音を言えない、気を使いすぎて疲れてしまう、そんな関係性のなかでは、本来の力を発揮するのも難しくなってしまいます。
相手を変えることは難しいけれど、自分がどうありたいかを見つめることで、選択肢が広がることもあります。
パワハラ・モラハラがあると感じている
直接的な暴言だけでなく、無視や意図的な排除、必要以上の詮索。
それらが積み重なると、「これはもう限界かもしれない」と感じる瞬間がやってきます。
けれど、職場の力関係のなかでは、なかなか声を上げづらいという人も多いです。
それでも、自分の心や尊厳を守ることはとても大切です。
誰かに話してみる、外部の相談窓口を利用してみるなど、一歩を踏み出す方法を探してみてください。
社内で自分の居場所が見つからない
一応チームには所属しているけれど、なんとなく馴染めない。
自分だけが浮いている気がして、何をしても「合わない」と感じることがある。
そんなとき、「自分が悪いのかもしれない」と責めてしまうこともあるかもしれません。
でも、それは環境との相性が合っていないだけという可能性もあります。
無理に馴染もうとするのではなく、自分が自然でいられる場所を探してみることも一つの手です。
キャリアの先が見えないとき

日々の仕事に追われているうちに、「このままでいいのかな」と立ち止まる瞬間があります。
がむしゃらに働いてきたけれど、ふとしたときに将来の姿が見えなくなる。
それは、立派な“サイン”のひとつです。
キャリアの展望が曖昧になったとき、自分の内側からの声に耳を傾けてみましょう。
異動や昇進など希望が通らない
やりたい部署があるのに、なかなか異動のチャンスが巡ってこない。
努力して成果を出しても、昇進や昇給に結びつかない。
そんな状況が続くと、自分の頑張りが認められていないような気がして、やる気が薄れてしまうこともあります。
目指していたキャリアパスが描けなくなったときは、職場との関係性を見直してみるきっかけかもしれません。
誰にでも思い描く未来があります。
その希望がいつまでも手に届かない状態は、長く続けるにはつらいものです。
給与や待遇が長く変わっていない
何年も同じような収入が続いていると、生活への不安がじわじわと広がっていきます。
昇給の見込みがない、賞与が減っていくなどの変化があると、「この会社にいても大丈夫かな」という不安につながることもあります。
待遇は、働く上での大切なモチベーションの一つ。
それが正当に反映されない状況では、未来への投資ができなくなってしまいます。
将来を考えるうえで、経済的な安定を見つめ直してみることも大切です。
やりたい仕事があるのに任されない
新しい分野に挑戦したい気持ちはあるのに、チャンスが与えられない。
いつまでも同じ役割ばかりで、自分の可能性が閉ざされているように感じる。
そのような閉塞感は、キャリアに対する熱意を奪ってしまうことがあります。
提案しても通らない、意見を聞いてもらえない。
そんな風に感じる日が続いているなら、自分を活かせる場所が他にあるのかもしれないと考えてみてもいいかもしれません。
周囲と比べて焦りや虚しさを感じる
同期が昇進したり、転職してキャリアアップしているのを見たとき。
胸の奥に、焦りや虚しさを感じることがあります。
本当は「自分は自分」と思いたいけれど、どうしても比較してしまうのが人間です。
その気持ち自体を否定する必要はありません。
ただ、その違和感を放置しておくと、自信が持てなくなったり、自分の選択に迷いが出たりすることもあります。
焦る気持ちがあるときこそ、自分の価値観と向き合ってみることが大切です。
会社の将来性に不安を感じる
業績が伸び悩んでいる、経営方針がぶれている、社内の雰囲気が沈んでいる。
そんな状況に身を置いていると、「この先、本当に大丈夫だろうか」と不安になることもあります。
未来が見えにくい会社では、長期的なキャリア設計がしにくくなります。
信頼や安心感が揺らいでしまうと、日々の仕事にも影響が出てくることがあります。
変化を恐れず、自分の未来を守る選択肢を持っておくと安心です。
働き方や環境の問題を感じたとき

毎日がんばっているつもりでも、何かが噛み合っていない気がする。
そんな感覚を抱いたことはありませんか。
働く環境が合っていないと、心や身体はじわじわと疲れてしまいます。
ここでは、職場そのものに問題がある場合に表れやすいサインを見ていきます。
残業や休日出勤が常態化している
定時に帰れる日がほとんどない。
休日も当たり前のように出勤していて、気づけば休む時間がなくなっている。
そんな状態が続くと、心も体もゆっくりと削られていきます。
やりがいを感じているうちは乗り越えられていたことも、疲労が限界を超えると、回復する余裕がなくなってしまいます。
自分の時間が確保できない働き方は、長く続けるにはリスクが大きいです。
「少し休みたいな」と思ったら、まずはその気持ちを大切にしてみてください。
優秀な人がどんどん辞めていく
尊敬していた先輩や、信頼していた同僚が次々と退職していく。
それに気づいたとき、何とも言えない不安が胸に広がることがあります。
特に、真面目に働いていた人や成果を出していた人ほど辞めていく場合、職場の構造的な問題が隠れている可能性もあります。
残された人だけが頑張り続ける状態は、チームにも負荷がかかります。
組織の流れや空気に違和感を覚えたら、少し立ち止まって考えてみるのも良いかもしれません。
社内の制度が形だけで機能していない
制度としては「相談窓口」や「働き方改革」があるけれど、実際には機能していない。
利用しようとしたら「空気を読んで」と言われたり、「誰も使ってないから」と諦めてしまったり。
制度が形骸化している職場では、従業員が声を上げづらくなります。
そうした環境では、改善の余地があっても前に進みにくく、モヤモヤが積もりやすくなります。
職場に「言っても無駄」と感じてしまったときは、それもひとつの重要なサインです。
相談しても改善されない環境にある
上司に何度か相談しても、「検討する」と言われたまま何も変わらない。
状況を説明しても真剣に受け止めてもらえない。
そんな経験が積み重なると、やがて「もう何も言いたくない」と思うようになるかもしれません。
声を上げた人が損をするような雰囲気の職場は、誰にとっても居心地のよい環境とは言えません。
伝えたことが無視され続けていると感じたら、それは転機を考えるタイミングの一つです。
価値観とのズレを感じたとき

なんとなく居心地が悪い、どこかしっくりこない。
明確なトラブルはないけれど、心の奥に違和感が残る。
それは、あなたと職場との間に価値観のズレが生まれているサインかもしれません。
日常に潜む小さな「合わなさ」に気づくことは、とても大切です。
会社の理念や文化に違和感を覚える
働くうちに、「この会社のやり方、ちょっと自分には合わないかも」と感じる場面が増えてきた。
そう思うようになったきっかけが、はっきりしていないこともあります。
けれど、会議の雰囲気、意思決定の流れ、評価のされ方。
そういった場面のひとつひとつが、「このままここにいていいのかな」という問いを生むことがあります。
大きな違和感はなくても、積み重なった小さな違和感が、やがて大きなストレスにつながることもあります。
成果より“顔色”で評価される風土がある
どれだけ結果を出しても、評価されるのは上司との関係がうまい人ばかり。
そんな風土に気づいたとき、モチベーションを保つのが難しくなるのも無理はありません。
公平さや納得感のない評価制度は、努力する意欲を奪ってしまいます。
そのまま働き続けると、次第に「何のために頑張っているんだろう」と思ってしまうことも。
自分の価値観を大切にするために、「それっておかしくない?」と感じる心を見つめ直してみることが必要です。
自分の強みが発揮できる場がない
本当は得意なことがあるのに、今の職場ではその力を使う機会がない。
やりたい仕事があっても任されず、何年も同じような役割ばかり。
それでは、自分の成長ややりがいを実感することが難しくなってしまいます。
「頑張っても、自分じゃなくてもできる仕事しか回ってこない」と感じているなら、もう一度自分の強みに光を当ててみましょう。
それを活かせる環境が、他にあるかもしれません。
「この仕事は自分に合っていない」と直感する
理屈ではうまく説明できないけれど、「なんか違う」と感じることがあります。
周囲はうまくやっているのに、自分だけがどこか取り残されたような気がする。
そんな“合っていない感覚”がずっと続いているとき、無理に合わせ続けることは、心の負担になります。
直感的な「このままじゃない気がする」という気持ちは、見逃さないようにしたいものです。
合う・合わないは、能力や努力とはまた別のもの。
あなたらしくいられる場所が、ほかにある可能性も十分にあります。
「自分だけ頑張っている」と感じるとき

まわりは余裕がありそうなのに、自分だけが常に忙しくしている気がする。
そんなふうに感じているとき、ふとした瞬間に心が折れそうになることがあります。
一人で背負い込んでいないか、立ち止まって確かめてみることも大切です。
いつも自分ばかりが忙しいと感じる
気づけば、いつも一番遅くまで残っている。
ほかの人が余裕をもって帰っていく中で、自分だけがバタバタしている。
そんな日々が続くと、「どうして自分だけ…」という思いが積もっていくこともあります。
頼まれた仕事を断れず、真面目に取り組んでしまう人ほど、その状況に慣れてしまいやすいものです。
でも、頑張り続けることが当然になってしまうと、知らないうちに心が消耗していきます。
時には「もう無理」と感じる気持ちに正直になってみることも必要です。
上司や同僚の理解が得られない
自分なりに頑張っていることを、誰も分かってくれない。
相談しても「そんなの気にしすぎじゃない?」と片付けられてしまう。
そんな風に感じる日が続くと、どんどん孤独感が強くなってしまいます。
誰かに気持ちを理解してもらえたら、それだけで少し楽になれるのに。
そう思っても、共感が得られない職場では、ますます話す気力がなくなってしまうこともあります。
信頼できる誰かに話してみる。
それだけでも、自分の気持ちを整理する手がかりになるかもしれません。
感謝されない・報われない感覚が強い
頑張っても、誰も気づいてくれない。
感謝の言葉が一つもないとき、心の奥にむなしさが残ります。
もちろん、感謝を求めて働いているわけではないかもしれません。
でも、人からの言葉や反応がまったくないと、自分の存在意義さえ見失ってしまいそうになることもあります。
小さな「ありがとう」があるだけで、人はぐっと救われることがあります。
その当たり前が感じられない職場にいるとしたら、自分を守る選択を考えてみるのも一つの方法です。
頑張っても空しさが残る
プロジェクトを終えても、達成感がわいてこない。
「やり切った」と思えるはずの瞬間に、なぜか胸の奥が静かすぎる。
そんなとき、人は「何のために頑張っているんだろう」と自問しがちです。
頑張ること自体が習慣になってしまうと、気持ちが追いつかないことがあります。
その空しさを無視せず、心の奥で何を求めているのかを探してみることが大切です。
辞めるべきかどうか迷っているときに

ここまで読んできて、「もしかしたら当てはまるかも」と思うことがあったかもしれません。
けれど、いざ辞めるかどうかを決断するのは、簡単ではありません。
頭では分かっていても、気持ちがついてこないこともあります。
迷っているときこそ、焦らず心の声を整えていきましょう。
すぐに辞めなくてもいいという選択肢
「今すぐ辞めるべきかどうか」だけが判断の軸ではありません。
一度立ち止まって、少し距離を取ってみるという選択もあります。
時間をかけて考えることで、自分の本音に近づけることもあります。
辞める決意を固める前に、まずは小さく「立ち止まってみる」。
それもまた、自分を守る大切な行動の一つです。
休職というステップを考えてみる
心や身体が限界に近づいていると感じているなら、まずは休むことを考えてみましょう。
「辞める」と「続ける」の間にあるのが「休む」という選択肢です。
休職は、自分を立て直すための大事な時間。
無理をして壊れてしまう前に、少しだけ呼吸を整えるための時間をつくってみてください。
必要な制度があるかどうか、人事や医療機関に相談してみるのも一つの方法です。
信頼できる人に話すことの大切さ
気持ちを言葉にすることで、自分の考えが整理されることがあります。
頭の中でぐるぐるしていたことが、話すことで少しずつ形になっていく。
家族や友人、信頼できる同僚。
身近な人に「ちょっと話を聞いてほしい」と言ってみるだけでも、気持ちが軽くなることがあります。
話すことでしか気づけないこともあるので、無理せず、少しずつ声にしてみるといいかもしれません。
キャリア相談や外部機関を利用する
迷いが大きいときは、プロの視点を借りてみるのも一つの選択です。
キャリアカウンセラーや、転職支援サービス、心の健康を支える相談窓口など。
あなたの立場を否定せずに話を聞いてくれる人が、外の世界にはたくさんいます。
第三者の目を通して自分の状況を見てみることで、これまで見えなかった選択肢に気づけることもあります。
改善を試みても変わらなかったなら
環境を良くしようと自分なりに動いてきた。
上司に相談したり、チームのやり方を変えようと努力してきた。
それでも何も変わらなかったなら、あなたはもう十分頑張ってきたのかもしれません。
変わらない状況に無理に適応し続けることが、自分をすり減らしてしまう原因になることもあります。
これ以上無理をしないための選択肢として、「辞めること」も視野に入れてみましょう。
辞めたい理由が曖昧なまま動こうとしていないか
勢いで辞めたくなる瞬間は、誰にでもあります。
でも、辞めたい気持ちが漠然としているままでは、次のステップでも同じ悩みを抱えてしまう可能性があります。
「何が嫌だったのか」「どうなったら働きやすくなるのか」
そういったことを一度整理してみると、自分にとって大事な価値観が見えてくることもあります。
感情だけで動く前に、今の気持ちを丁寧に掘り下げてみる時間を取ってみてください。
環境を変えることは悪いことじゃない

「逃げる」「甘え」と感じてしまう方へ。
環境を変えるという選択が、健やかな日常に戻る一歩になるかもしれません。
転職は逃げではなく、選択のひとつ
転職を考えると、「逃げだ」「甘えている」と思われそうで怖い。
そんな気持ちを抱える人は少なくないと思います。
けれど転職は、逃げではなく一つの選択肢です。
仕事で心身が削られてしまうようであれば、新しい環境に身を置くことは、あなた自身の心と体を守る行動。
責任感や義務感だけで動き続けるのではなく、自分の幸せと健康を大切にする──それは決して甘えではありません。
新しい職場では、あなたが大切にしたい価値観や働き方を再設定できるかもしれない。
環境を変えることで、初めて気づく自分の「心地よさ」もあります。
過去の自分を否定しなくていい
これまで頑張ってきた時間や努力があってこそ、今のあなたがあります。
だから、過去の自分を否定する必要はありません。
「ここまでやってきた」「逃げずに頑張ってきた」というその歩みは、あなたの強みです。
もし今、違和感や疲れを感じているなら、環境を変えたとしても、その価値や努力が無駄になるわけではありません。
過去を糧に、新しい一歩を踏み出すことは、あなたらしさを大切にする選択。
だから、過去を否定せずに、新しい未来を描いてみるという手もあります。
今より少し心地よい場所を目指していい
「完璧な職場」はなかなか見つからないかもしれません。
だけど、「今よりストレスが少ない」「心が休まる」というだけでも、十分価値があります。
毎日重荷を感じながら働くより、少しでも心地よさを感じられる場所を選ぶことは、心の健康を守るうえでとても大切です。
自分の感覚を信じて、「少しでも働きやすい環境」を目指してみる。
それは、あなたにとって大きな救いになるかもしれません。
安心して働ける環境の条件を整理する
新しい職場を探すときは、自分が「安心して働ける条件」を具体的にしておくと安心です。
たとえば、「通勤が短い」「残業が少ない」「上司との距離が近すぎない」など、小さな条件でも構いません。
その条件をいくつか書き出してみることで、自分がどんな職場を望んでいるのかが見えてきます。
それは、次のステップに進むための、大切なヒントになるはずです。
まとめ
仕事を辞めたい気持ちは、決して弱さではありません。
むしろ、それは自分の心と体が発している大切なサイン。
違和感やしんどさに気づいたあなたは、もうすでに一歩踏み出しているのかもしれません。
この記事では、心身の変化、人間関係、価値観のずれなど、辞めどきの兆候をさまざまな角度から見つめてきました。
小さな違和感も、積もれば大きなストレスに変わります。
そして何より大切なのは、今感じているその気持ちを、否定しないこと。
辞める・続ける、どちらが正解というわけではありません。
けれど、自分をすり減らしながら続ける毎日が少しでもつらいと感じたなら、立ち止まって考えてみる時間を取ってもいいはずです。
すぐに答えが出なくても大丈夫です。
ひとつひとつ、自分の気持ちに正直になってみることが、これからの選択のヒントになります。
これまでの経験や努力は、どんな形でもあなたの財産です。
だからこそ、「頑張る方向」を少し変えるだけで、景色が変わって見えることもあります。
あなたが少しでも心穏やかに働ける場所に、たどり着けることを願っています。
参考文献(APA形式)例
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